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野鳥撮影のカメラ機能(ライブビュー撮影編)


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2007年頃の発売モデルであるデジタル一眼レフカメラから、ライブビュー機能が随時搭載されるようになって来ています。ライブビュー機能はフィルム時代ではとても撮影が不可能と思われた撮影機能であり、デジタル時代ならではの作風を生み出すのに欠かせない機能の一つと言えるでしょう。

 

このカテゴリでは、メーカー・カメラ機種ごとのライブビュー機能の違いとライブビューを活かした野鳥写真の撮り方についてお話していきます。

 

 

 

< ライブビュー撮影の2つのメリット >

 

ライブビュー機能はデジタル一眼レフカメラにおいて、ミラーとシャッターが跳ね上がりセンサーが受けた光を液晶画面にリアルタイム(厳密には僅かなタイムラグはあります)表示して撮影が可能になる機能です。野鳥撮影においてライブビュー撮影には『 厳密なピント合わせ 』 と 『 超低速シャッターでの撮影 』という大変大きな2つのメリットをもたらしてくれます。どちらも写真の出来が激変する内容ですので、きちんと内容を理解して使いこなせるようにしましょう。

 

 

 

< メリットその@:厳密なピント合わせ >

 

ライブビュー機能でもわかりやすいメリットに厳密なピント合わせがあります。通常の位相差AFやファインダーを覗いてのマニュアルフォーカスでのピント合わせは、微妙なズレを伴うことがありますが、ライブビューであれば撮影するセンサーそのものの画像を見ている上に10倍程度まで拡大ができるので今までとは精度のレベルが違うピント合わせが可能になりました。

 

 

野鳥撮影においては、特に被写体との距離が50メートル以上などという状況も普通にあるため、厳密にピントを合わせるには少しずつピントリングを回してブラケティングで撮るしかなかったのですが、ライブビュー機能により一発でピントをキッチリ合わせることができます。ただし、動いている野鳥にピントを合わせるのは極めて困難ですのでほぼトマリモノ限定となります。

 

 

また、ライブビュー搭載初期のカメラはマニュアルフォーカスのみでしたが、その後コントラストAFが使えるようになるモデルが登場し、更に近年では撮影素子にフォーカス用の画素を組み込んでAFを高速化する技術も組み込まれています。コントラストAFは位相差AFより精度が優秀ですので、基本的にコントラストAFでピント合わせをして問題ないのですが、暗い場所では位相差AFよりAFが迷い効かなくなり始めるのが早く、また被写体との距離が100メートルも離れているような場合ではピント面が極端に狭いために微妙に外す事も多いので、そのような場合はマニュアルフォーカスで微調整しましょう。

 

 

 

< メリットそのA:超低速シャッターでの撮影 >

 

ミラーとシャッターの駆動を無くして撮影することが出来るために、カメラから発生する振動をほぼゼロにして撮ることで極めて低速シャッターでの撮影が可能になります。超低速シャッターでの撮影ですのでこちらもトマリモノ限定の撮影方法です。また、少しでも風が吹いているとレンズがあおられて振動してしまいますので無風に近い状態でなければメリットが活かせない撮影方法でもあります。指でシャッターを押すと振動が発生してしまうのでレリーズやタイマーの利用も必須となります。

 

 

超低速シャッターとありますが、いったいどの程度まで下げることが可能でしょうか?筆者の経験では800mm程度の焦点距離でSS1/2くらいが下限値ではないかと思います。超望遠レンズ使用時は、ほんの僅かな振動もブレとして拾ってしまうので撮影のタイミングでは呼吸も止めたほうがよいでしょう。シャッタースピードがここまで落とせると多少暗い森の中でも十分 ISO100 で撮れますし、更にシャープさをあげる為に少し絞る事も可能です。前述の厳密なピント合わせも踏まえると、トマリモノの撮影は全てライブビューで撮ってもよいというくらい、写真の内容が変わります。

 

ライブビューで無振動撮影

 

 

ただし、超低速シャッターで撮影できるライブビュー機能を備えたカメラは限られていますので注意が必要です。超低速シャッターを切るにはカメラ側の振動をほぼゼロにしないといけませんので、ミラーやシャッターが余計な駆動をするタイプのライブビュー機能のカメラでは撮影ができません。カメラ側の振動が発生しないシステムは『 電子シャッター 』を使っているかどうかが鍵になります。これは文字通り機械シャッターではなく電子的にシャッターを切るとイメージすれば理解しやすいでしょう。電子シャッターは高速シャッターを切る場合には画像にズレが発生するなど問題が生じますが、野鳥撮影でライブビューで高速シャッターを切ることはまずありませんのでデメリットは無いと考えて良いでしょう。

 

 

 

< 電子シャッターを備えているカメラ >

 

メーカーHPを見るとわかりますが、ニコンのデジタル一眼レフで電子シャッターを備えるモデルはありません(ミラーレスの Nikon1 は備えています)。ニコン機のライブビューはコントラストAFがキヤノン機より圧倒的に早くて素晴らしいのですが、野鳥撮影ではそれよりはるかに重要な電子シャッターの採用が無いのは致命的です。また、ニコン機はミラーやシャッターが余計に複数回動いたり、レスポンスが悪いなどライブビュー機能自体が最新の D4 や D800 ですら余り洗練されていない印象があります。トマリモノ撮影ではしばらくキヤノン有利の状態が続くでしょう。しかし、そのキヤノン機でも電子シャッターが使える機種は限られますので、購入時には特に注意が必要です。( EOS-1D シリーズでは EOS-1DX で初めて電子シャッターが採用になりました。)

 

 

超低速シャッターで撮れるカメラ

  • EOSKissX2・X3・X4・X5・X6i
  • EOS40D・EOS50D・EOS60D
  • EOS7D
  • EOS6D
  • EOS5DMarkU・EOS5DMarkV
  • EOS-1DX

 

※EOSKissシリーズは2モーター仕様ではないので、1枚撮影ごとにミラーが上下します。ただし、撮り終わってからの駆動なので超低速シャッターでの撮影自体は可能ですが、ミラーが動いたことによる振動が収まるまで次の撮影に移れないので使い勝手は上級機に劣ります。

 

 

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